宮城県の蓮の花池と震災と
去年のお盆頃、宮城県で見事な蓮の花池を見た。
気仙沼の友人を訪ねた後、一緒に東京に行くため駅に向かっている途中、一面に蓮の花が咲いた池があった。
遊覧船で池巡りができるらしい。時間があるので乗ってみた。
こんなところが日本にあるとは知らなかった。何て言うところだったのだろう。
舟は水の道をすいと進んでいった。
極楽浄土とはこういうところだろうか。風が心地よかった。
気仙沼で食べたフカヒレラーメンもウニ丼もおいしゅうございました。
気仙沼はいいところ、美味しいところだ。
震災直後、ふとした縁で知り合いになった友人宅には三回行った。
一回目は2011年の夏。
震災の跡がまだ生々しい。友人宅も一階の物は全て津波で流されていた。天井から10センチ下のところに海水の線が付いていた。ここまで津波が来たという印だ。
二回目は同年の冬。
友人は仮設住宅に暮らしていた。私は自宅で咲いたスイトピーの花を持って行ったのだけれど、花瓶がなくて気を遣わせてしまった。
仮設にあるのは生活必需品だ。花を飾る暮らしではなかった。
三回目は2015年の夏。
4年ぶりに訪ねたら、友人宅はすっかり改装されてきれいになっていた。海水の線もない。
転居することも考えたけど、やはり海が好きだから、海と暮らしたいと思ったのだそうだ。
気仙沼に行くと、なんだか人生について考えさせられるのだった。