昭和
姪っ子が、自分の母親(私の妹)の子供の頃の写真が見たいと行っていたので、探してみた。あった。いとこが集合した写真。
高校生になった姪っ子は、自分の母親の子供時代を見て、自分にそっくりなことを発見し「将来はああなるのか、、、」とつぶやいた。
十代二十代の頃の私を見て「なにがあったん?」と。は?なにか不思議ですか?まあ、今より20キロばかり痩せてましたけれど。別に何もありませんよ。自然の成り行きですけど?
昭和のにおいがプンプンする。私の父は長男だったし、祖母がいたので正月やお盆には本家である我が家に沢山の親戚が集っていた。
年末に親戚総出で餅つきをした。男衆がぺったんぺったんついて、女たちは臼の中の餅を返したりもち米を炊いたり餅を揉んだりしていた。子供達も餅を揉んだものだ。初めは下手だったけれども長ずるにつれて上手になっていった。
薄暗く寒い土間のような場所でオレンジ色の電球をつけて作業をしていた。もち米が炊き上がるにおい、蒸気、掛け声、もうすぐ正月が来るワクワク感とあいまって忘れられないひとコマだ。
この写真は服装からして正月だろう。オシャレをしている子もいる。左端のあっちゃんは、母親も本人もオシャレだった。それぞれにしあわせな子供時代を過ごした。祖母は私が大学生の時に亡くなった。そうするとだんだん、親戚が集まる回数も減って来た。多分20年余り我が家に集まっていたが、私が社会人になった頃は、いとこ達が集まることもなくなってきた。
そんないとこ達も今では母親父親になり、それぞれの家庭を持っている。世代はすっかり代わり、いとこ達が集まるのを眺める立場になっている。
私はそういう母の立場にはなれなかったけれど、十分幸せだ。妹が産んでくれたので両親は孫を見ることもできたし。ありがたい。
幸せをもらって生きてきたから、次の世代にちゃんと幸せを伝えたいと思う。そして両親に返していくことも。