machimachi22mermaid’s diary

旅と映画と読書が好きです。旅先でぼんやりしているとあれこれ書きたくなったので、2016年8月13日、アムステルダムにて、ブログを始めました。

ひな

f:id:machimachi22mermaid:20190627070147j:plain

昨日下校時に、生徒が中庭の木の下で鳥のヒナを見つけた。

まだ生きている。くちばしが黒くて大きい。スズメでもハトでもなさそうだ。カラスだろうか。木を見上げると藁で作ったような巣があった。多分あそこから落ちたのだろう。私にはそこに返してあげる優しさも元気もなかった。カラスのお母さんが拾い上げることもないだろう。

しかし、このままにしておくわけにもいかず、生徒が帰った後、枯れ草に包んで木の下に置いた。

20年前、我が家を新築した。そんなある日、夜中に壁の中からニャーニャーと声がする。夢か呪いか、まあ空耳だと思いながら再び眠りに落ちた。朝、やっぱりニャーと声がする。どう考えても子猫だ。私は出勤しなければならず、両親に壁の子猫のことを告げて出て行った。帰宅すると、壁を切り取ってまたはめ込んだ跡がある。

やはり子猫がいたのだ。なんでも、家を建ててくれた大工さんを呼んで鳴き声の先をたどって穴を開けた。なんと2回空振りで、3回めにやっと電気ソケット近くの壁からニャーと出てきたらしい。だから私の部屋には未だに不自然な切った跡が三ヶ所ある。大工さんによると、たぶん、母猫が子猫をくわえて移動していて、壁の間に落ちたのではないかということだ。

父は子猫を捨てるために山の中に分け入って置いてきたらしい。それでも置いた後で途中でかわいそうに思い、コンビニで牛乳を買って引き返したそうな。そして、もと来た道を引き返して猫のいるところへ近づいて行ったら、上空からカラスが猫をめがけて飛んできて食べたそうだ。カラス、、、。

今朝、木の下を見に行った。ヒナが枯れ草から出て、死んでいた。母カラスは助けることもできないし、私もしなかった。生きようとしてもがいたんだろう。きっぱりと死んでいた。自然淘汰と言うには、残酷な姿だった。

ともだちは苦しまずに亡くなったのかな。何を思いながら消えていったのかな。幸せだったのかな。

f:id:machimachi22mermaid:20190627073011j:plain