美しい夕焼けも見ないで
吉野弘さんの「夕焼け」は、昔教科書に載っていた大好きな詩だ。
いつものことだが、で始まる。
最後が、美しい夕焼けも見ないで、だ。
優しい娘が、電車の中で席を譲ろうとして、うまくいかなくてうつむいている。外は美しい夕焼け。それだけの風景を、詩人はかくも美しく物語に変える。
先日の誕生日、なんてことなく普通に1日が終わったら。Facebookをしているから、何人かが声をかけてくれた。それで十分だった。
昔は何か特別なことがほしくて、帰宅しようとしていた生徒に声をかけてもっていたバイオリンを弾いてもらったこともあった。この時期は合唱集会の練習があって、その子はバイオリンを弾く場面があるため持参していたのだった。
今は、普通でいい、いつも通りでいいと思える。
で、一仕事終えて、もう一つの職場に帰ろうとした時、外を見たらきれいな夕焼け空だった。じっと見ていると、刻々と色を変えていく。
天から祝福されているようで幸せだった。こんな美しい夕焼けも見ないで、職員室にこもって仕事ばかりしているなあと思った。
もう一つの職場に帰らずにそのまま家に帰っても良かったのだけれど、仕事ができない分、時間でなんとかしようと思っている自分がいる。
秋は本当に空が美しい。友達が、誕生日おめでとうの言葉とともに、虹が見えたと画像を送ってくれた。
生まれてきてよかった。私は私の仕事をこれからもちゃんとしよう。
お母さん、ご先祖さま、周りの皆さま、ありがとうございます。